204－light of room 204－

雨の日は、きらい。大好きなパパとママが死んで、おにいちゃんとふたりだけになった、あの日も雨だった。おにいちゃんは働いて私を養うために、学校をあっさり辞めてしまった。そして私たちは、おにいちゃんのお友達の藤尾さんのアパートに住むことになった。藤尾さんはお父さんが地主さんで、お金持ちで、とても優しい人――密かに憧れていた。おにいちゃんの帰りが遅くなった雨の日の夜、藤尾さんは突然やってきた。びっくりしたけど、嬉しかった。でも……まさかあんなことされるなんて……。やっぱり雨の日は、きらい――。