バロック～歪んだ真珠～

時は大正――男性優位の時代。女学生達の関心は、もっぱら自分がどれ程の地位の殿方に貰われるかという事だった。そんな中結婚に興味がない真珠子は、兄妹の様に育った使用人の吉也といつまでも一緒にいたいと願っていた。しかし、その願いは叶えられない。突如として現れた地方の成金財閥、清瀬川公司郎。彼は、真珠子の許嫁だという。この日から、真珠子の地獄の様な生活が始まったのだった……